アフガニスタンがマドプロ加盟

アフガニスタンが、マドリッド協定議定書(マドプロ)に加盟しました。2018年6月26日に発効しました。

 

アフガニスタンで商標を保護したい場合、今まではアフガニスタンに個別の商標出願をするしか方法がありませんでした。

しかし、マドプロの加盟国となることにより、今後は、

  • アフガニスタンに個別の商標出願する
  • マドプロによる国際登録出願をして、アフガニスタンを指定国として指定する
    (既に国際登録をお持ちの場合は、アフガニスタンを事後指定することもできます)

という、2つのルートによる商標登録が可能になります。

 

この2つのルートの違いについては、こちらをご参照下さい。

「商標サービス」→「外国での商標出願・マドプロ出願」からでも、開くことができます。

 

アフガニスタンについての所感

アフガニスタンの正式名称は、アフガニスタン・イスラム共和国(Islamic Republic of Afghanistan)です。

外務省のウェブサイトで、アフガニスタンへの渡航情報(危険)を見ると、アフガニスタン全土が、レベル4「渡航はやめてください。退避してください」となっていました。最も渡航の危険度が高い国・地域の一つと言えるでしょう。テロや空爆もあり、治安状態が極めて不安定な状況のようです。

 

アフガニスタンでのテロ等についてのニュースを毎日のように目にする中で、アフガニスタンが商標についての国際的な取り決めであるマドリッド協定議定書に加盟したというのは正直驚きました。とても喜ばしい驚きです。

マドリッド協定議定書に加入するためには、マドプロの規定に則って手続きを進めるために必要となる、法律等の整備や制度の構築が必要となります。

例えば、審査期間も制限がありますし、WIPOや国際登録の名義人への通知等も議定書にしたがって行う必要があります。

治安が不安定な中においても、そういった活動は進められていたんだなあと思うと感慨深いです。

 

外務省のデータを見ると、

 

日本への輸出  4,527.2万円(2016年)

日本からの輸入 87.17億円(2016年)  出典:財務省貿易統計

 

総貿易額(2016-17年アフガニスタン中央統計局 Afghanistan Statistical Yearbook)

輸出 5.96億ドル

輸入 65.34億ドル

 

アフガニスタンの主な他国への輸出品: じゅうたん,レーズン,ピスタチオ,甘草,羊毛,干しイチジク,アーモンド,羊皮等

アフガニスタンへの主な他国からの輸入品: 石油,セメント,鉄棒,電化製品,小麦,機械類等

(2016-17年アフガニスタン中央統計局 Afghanistan Statistical Yearbook)

 

ということです。日本への輸出は、かなり少ないことがわかります。

 

今回のアフガニスタンのマドプロ加盟のニュースからは、随分話しがそれてしまいました。

ですが、将来的には、日本をはじめ、世界中のより多くの企業等が、アフガニスタンで商標の保護をし、現地で商品の販売・サービスの提供をしてゆく一助となるかもしれません。またアフガニスタンの現地企業についても、他国でより簡潔なプロセスで商標を保護することができるようになりますので、他国への輸出にも力を入れていけることとなるでしょうか。

 

経済活動を通じ、アフガニスタンが活性化してゆき、より暮らしやすい安全な国となってゆく、そんな一歩となることを願います。

アフガニスタンの住民のみなさまに、安全で平和な日常が一日も早く訪れることを願ってやみません。

 

【参考】

外務省HP https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/afghanistan/data.html#section1

外務省 海外安全HP https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2018C091.html